別府遺産とは・・・
別府昭和ノスタルジー
最近とみに日本人の思いの一つに、昭和の中期から後期までの高度経済成長期にあたる、社会や文化を懐かしむ感情があります。
近年公開された映画「三丁目の夕日」や「東京メトロにのって」などの劇中には、当時の情景・背景をCGや小道具によって再現し、
様々な建築物や、そこにかかわる人々が生き生きと描き出されています。
私もそんなシーンを見ると、非常に懐かしく心が揺れるのはなぜなのでしょうか。
別府市は第二次大戦の戦火を免れ、CGなどではない多くの貴重な建築物が残り、その建築物は大正から昭和初期にかけ、戦前の最
も栄華を極めたころに建てられた物です。
しかし、その多くの建築物も近年老朽化が進み、惜しまれながらも姿を消すもの、再開発によって取り壊されるものと、様々な形で
我々の前から消え去って逝っています。
その様な時代に在っても、日田や豊後高田、門司港のように当時の面影を偲ばせる古い町並みを残しながら、この古い町並みと新し
い都市機能をうまくミックスさせた都市型観光を実現し、多くの観光客が訪れる都市もあります。
そのうち日田市では、地元の人たち皆口々に、古き良き物を残すことが町の発展に繋がると言っているのです。
この100年で年間1300万人の国内外の観光客が訪れ、他の都市に比類ない温泉観光都市である我が別府市。
その温泉観光都市別府に、大正から現在に至るまでの間建てられたノスタルジーな建築物を、後世に残していくことこそが我々の責
任であり、文化・教育、牽いては別府観光発展のためにも後世に役立つのではないかと思います。しかしながら保存や修復など、費
用の掛かることばかりです。行政だけに頼っていては、維持保存が難しいところまできています。
消え行く別府の情景を記録・映像として残すことにより、教材や記録・メディア観光資源に利用し、その遺産を守るための手助けに
なれば幸いです。また、今回のDVD映像製作を機に多くの別府市に住む市民、県内外から訪れる観光客の方々に「残す・保存利用
する大切さ」を考えてもらいたい所存です。